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Author:オヤジ
1963年生れ愛知県在住
元居酒屋店主
2012年3月、ブログに手を染める。
 

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 新筍の季節。   【筍御飯】

2015/04/10(金) 21:27:40

IMG_1533.jpg

 近所のスーパーに並んでいたので買ってきた。
 三重県産の筍である。 2本で約800円。
 茹でるのが面倒だが、こういった季節物はタイミングを逃すとと食べそこなってしまう。
 筍は手に入れたら、すぐに茹でてしまうことが鉄則である。
 俗に、「筍を掘りに行くときは、お湯を沸かしてから往け」 とまで言う位だ。
 筍は土から掘り出した瞬間に、刻一刻と鮮度が落ちていく。 つまりアクが回ってくるのだ。 これを止めるにはまず茹でることである。

 さて、筍の茹で方だが、そんなものはプロでなくとも家庭の主婦、いや、日本人なら知っていて当然とも思うのだが、近頃は缶詰やら水煮の登場で、都会育ちの若い人は、生の筍など料理したことは勿論、食べたことも無いという人も多いのではないだろうか。

IMG_1535.jpg

 ます、筍は束子等を使って表面の砂、泥を洗い落とす。
 穂先と根元を切り落とし、皮に縦に切り込みを入れる。 茹で上がった時に皮を剥きやすくするためである。
 穂先をカットするときは、斜めにカットすると良い。 真直ぐ切ろうとすると皮に包丁が喰い込んでなかなか切り落とせない。 斜めに包丁を入れると何故か簡単に切り落とすことが出来る。

IMG_1536.jpg IMG_1538.jpg


 筍を茹でる時は皮付きのまま丸ごと茹でるのが理想である。 その方が筍の風味が逃げない。
 そんな訳で筍がすっぽり入る大きめな鍋が必要である。
 
 え? 「そんな大きな鍋は我が家にございません」 って?

 まあ、道具が揃ってないのが、家庭で料理をしなくなった原因であろうか?
 いや、料理をしないから道具を揃えていないのであろう。 鍋なんてホームセンターで1000円位(多分)で買えるので、この際、買ってしまってはどうだろうか。

 筍は、米ぬかと鷹爪を入れ水から火に掛け、筍が浮き上がらないように落とし蓋をして茹でる。
 ゆで時間は大きさによるが、国産の鮮度の良いものなら30分前後。 竹串を刺して軽く通るようであれば完了である。
 これが中国産の筍だと、茹で上がるのに2時間近くかかる場合もある。 それほど国産と中国産には鮮度の違いが在るのだ。 当然、味の差も歴然である。

 筍が茹で上がったからと言って、直ぐに湯から上げてはいけない。 冷めるまで茹で汁に浸けたままにしておくことで灰汁が抜ける。

 IMG_1540.jpg

 湯が冷めたら、筍を取りだし皮を剥いて糠を綺麗に洗い流す。 根元付近のイボイボは別に害が在る訳ではないが、見た目が悪いので削り取る。 これで下処理の完成。
 手間と時間がかかって、皮を剥いたら最初の半分くらいの大きさに成ってしまう。

 『これで、800円は高くないか? しかも茹でるために鍋まで買って。 これなら水煮の筍で充分じゃないか?!』

 そうお考えであろうか?

 水煮の筍なんて年中いつだって食べられる。 新筍はその時期にしか食べられないから価値が在るのだ。
 食べてみればその価値観が分かるはずだ。
 
 そんな訳で、もっともシンプルに筍を味わえる筍御飯を炊いてみよう。

 IMG_1541.jpg

 鍋に米を入れ、水の代わりに出汁を通常の水加減の量で入れ、薄口醤油と味醂で味を付ける。
 私は無洗米を使っているが、米一合に対して、醤油と味醂が凡そレンゲ一杯づつである。 今回、米二合なので薄口醤油と味醂をレンゲに二杯づつである。 軽くかき混ぜて味を混ぜてから、その上に具材を乗せる。

 具材は筍と油揚げのみ。 余計な具材をあれこれ入れる必要は無い。 新筍の豊かな風味を味わうにはその方が良い。
 油揚げは、あえて油抜きはしない。 多少油分が入った方が旨みが増す。 それに近頃はそれほど悪い油で揚げているとは思えないからだ。
 筍は先の方の柔らかい部分を使うのが良い。 穂先のひらひらした部分も当然刻んで使う。
 具材は米に混ぜ込んではいけない。 米の上に静かに乗せ、炊き上がってから全体を混ぜ合わせる。 最初から米に具材を混ぜて炊くと米が上手く炊き上がらない。

 残った筍は水に浸けて冷蔵庫で保存しておけばいい。 毎日、水さえ変えればかなりの日持ちがする。 具体的に何日とは言わないが、元々水道水には塩素が含まれているため、浸しておくだけで防腐効果が在るのであろう。
 とは言え、あまり長く水に浸けたままの状態にしておくと、折角の新筍の風味も味も消えてしまうから注意だ。

IMG_1542.jpg

 さて、これが炊き上がり。
 蓋を開けた瞬間に筍の甘い香りが鼻孔を突く。

 foodpic5997461.jpg

 よく全体を混ぜ合わせて器に盛った。
 筍の香りと食感が非常に良い。 おこげも在って、これがまた旨い。

 一見、シンプルと言うか質素な料理だが、これこそが美食と言うものである。
 私が常々言う、「粗食こそ美食」を体現した料理であろう。
 筍御飯などは、そこらの定食屋かファミレスでも食べれそうな気もするが、そこそこの高級店でもなければ、大抵において使っている材料は水煮か中国産である。

 国産の新筍を使った筍御飯は、自前でなければなかなか食べられないであろう。
 そこに鍋を買ってまで新筍を茹でる価値が在るのだ。

 日本には四季が在るから良い。 季節を味わうのが和食の醍醐味なのだ。 
 カレーライスが国民食だって? 何か忘れてはしないだろうか?
 高カロリーの料理や、こってりしたソースの料理だけを美味しいと思っている人はあまりに残念である。
 
 折角日本に住んでいるなら、この時期、一度は新筍を使った料理を食べるべきであろう。
 まずは筍御飯である。
 私はこれだけでも充分。 おかず等要らないのだが、しいて言わせてもらえば菜の花のお浸しと、あさりの味噌汁でも在れば最高であろう。 それだけあれば最高の贅沢である。
 まさに粗食こそ美食である。
 日本に生まれてつくづく良かったと思うのである。

foodpic5997468.jpg

 筍御飯
 三重県産新筍、米、油揚げ、薄口醤油、味醂、出汁








 本日の一曲
 Urban Knights - THE ROSE



 今日は音楽もシンプルなものを選んでみました。
















 


 
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