オヤジの食卓

 Funkを聴きながら、食について考える。

クリックをお願いします。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ

最新記事

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

カテゴリ

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

プロフィール

オヤジ

Author:オヤジ
1963年生れ愛知県在住
元居酒屋店主
2012年3月、ブログに手を染める。
 

カウンター

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最新記事

最新コメント

RSSリンクの表示

スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告

超一級のスパイ小説 【トマス・ハリス著 ブラックサンデー】

2012/07/21(土) 00:00:54

 トマス・ハリス著 ブラックサンデー

 随分昔に書かれた小説だが、私がこの本を読んだは去年の事である。
 ブックオフの105円コーナーで見付けたのが手に取る切っ掛けだった。

 まずトマス・ハリスと言う作家についてであるが、彼の名前は知らなくとも、その作品名は多くの人が知っているのではないだろうか?
 アンソニー・ホプキンス演ずる、精神科医ハンニバル・レクター博士の個性が強烈に印象的であった、映画「羊たちの沈黙」は多くの方が御存じだと思うが、この原作である同名小説の作者がトマス・ハリスだ。

 レクター博士が登場する作品は「羊たちの沈黙」を含め、4作在るのだが、彼の作品はそれらの4作品と、今回取り上げた「ブラックサンデー」を含め、全部で5作品しかない。
 しかし、その全てが映画化され、特にホプキンスが演じた【狂人ハンニバル・レクター】と言うキャラクターは映画ファンなら誰でも知っていると思う。

 反面、その作品数の少なさからか、原作者のトマス・ハリスは今一つ知名度が低いようにも思える。
 私は彼の作品は全て読んだのだが、その才能は、彼が生み出したキャラクター【レクター博士】以上に強烈だ。 彼の文章には凶器さえ感じる
 彼の作品、ハンニバル・レクターシリーズには残虐なシーンが多く登場するが、その全てが理にかなっている。 登場人物が残虐な行動に至るまでの背景や、精神状態が緻密に描かれており、全く隙が無い。 
 だからこそ、彼の作品には戦慄すべきリアリティーを感じるのだ。

 さて、トマス・ハリスの作品の中で唯一【レクター博士】と関連が無い作品が「ブラックサンデー」だが、簡単に説明すればパレスチナのテロ組織とイスラエルの諜報機関が戦うスパイ小説だ。
 しかし、その舞台はアメリカで、この小説に登場するテロ組織「黒い九月」は実在組織である。 その実在テロ組織の背後関係や性格は、作家が元新聞記者だけ在って実に緻密描かれている。 それだけでも充分リアリティ―が在るのだが、その実在テロ組織がアメリカで大規模テロを企てようというのだ。
 そして、その計画がなんと、大量の爆弾を積んだ飛行船で、8万人が集まるフットボールのスタジアムに突っ込むというものだ!

 この私の説明で、多くの人がピンと来たのではないだろうか。 そう9.11のテロ事件だ。
 しかし、この作品は9.11のテロ事件をヒントに書かれたのでは無い。 この本が書かれたのはそれより25年以上前の1975年である。
 70年代は確かに世界中でテロ行為が頻発していた時期である。 日本では連合赤軍が暗躍した時代だ。
 それでも、当時の読者なら、爆弾を積んだ飛行船がスタジアムに突っ込む等というような大規模テロ行為は比現実的であり、そんな事態は、まさに小説の世界でしかあり得ないと思いながら読んでいたのではないだろうか?
 しかし、2001年9月11日、小説や映画さえも上回るようなテロ事件が現実に起きてしまったのだ。
 
 9.11事件後にこの小説を手に取った読者は、否が応でも9.11事件とこの小説を重ね合わせる事になるであろう。 そして、より一層のリアリティーと戦慄を感じることになるはずだ。

 トマス・ハリスは9.11のテロを予知していたのだろうか?
 いや、作家としての想像力を膨らませただけであろう。
 だが、彼は単に誇大妄想でこの作品を書いたのでは無いだろう。 我々には理解しがたい、自分の命を犠牲にしてまでのテロ組織やテロ行為の実態に鋭く切り込んでいる。
 正常な人間が狂気に変わって行く心理描写はハリスの得意とするところで、非常に説得力がある。

 私はこの本を読んでから、テロ組織に関して興味を持ち、テロ関係の書籍にまで手を付ける羽目に成ってしまた。

 この作品には、アメリカ、イスラエル、パレスチナの国際事情にまで及ぶ、ポリティカルで社会的な面もあるが、テロ組織を、イスラエルの諜報機関とFBIがタッグを組んで追い詰めていく過程は、緊張感と手に汗握るアクションシーンで、スパイ小説としてのエンターテーメント性は超一級である。 
 綿密な取材を重ねて書かれたであろう背景描写と、作家の研ぎ澄まされた才能と想像力の高さに、圧倒的な質の高さを感じる作品だ。


 この作品は1977年に映画化されたのだが、残念ながら日本では劇場公開はされなかった。
 「上映すれば映画館を爆破する」と脅迫が在ったために上映を断念したらしいが、テロと戦うストーリーのはずが、結局テロに屈したという、皮肉な結果に成ってしまった。

 しかし、日本ですら脅迫事件に成ったというこの映画、原作者のトマス・ハリスには全く脅迫が無かったのだろうか?
 当然、脅迫まがいの事件が無かったとは考えにくい。
 
 実在テロ団体の名前を上げて、これほどの作品を書いたハリスは、脅迫も想定内の覚悟で書いたのではないだろうか。

 いやはや、タフな作家である。

ブラックサンデー (新潮文庫)ブラックサンデー (新潮文庫)
(1979/03)
トマス ハリス

商品詳細を見る


  
 

 
 
 
関連記事
本・文学 TB:0CM:0
<<  ハム、ソーセージについて考える 【日本の食文化とは?】ホーム全記事一覧 モズク乗せ奴 >>

コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://kareha48.blog.fc2.com/tb.php/118-691d4e44

オヤジのお気に入りCD

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新トラックバック

Copyright(C) 2006 オヤジの食卓 All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。