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1963年生れ愛知県在住
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2012年3月、ブログに手を染める。
 

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超一級のスパイ小説 【トマス・ハリス著 ブラックサンデー】

2012/07/21(土) 00:00:54

 トマス・ハリス著 ブラックサンデー

 随分昔に書かれた小説だが、私がこの本を読んだは去年の事である。
 ブックオフの105円コーナーで見付けたのが手に取る切っ掛けだった。

 まずトマス・ハリスと言う作家についてであるが、彼の名前は知らなくとも、その作品名は多くの人が知っているのではないだろうか?
 アンソニー・ホプキンス演ずる、精神科医ハンニバル・レクター博士の個性が強烈に印象的であった、映画「羊たちの沈黙」は多くの方が御存じだと思うが、この原作である同名小説の作者がトマス・ハリスだ。

 レクター博士が登場する作品は「羊たちの沈黙」を含め、4作在るのだが、彼の作品はそれらの4作品と、今回取り上げた「ブラックサンデー」を含め、全部で5作品しかない。
 しかし、その全てが映画化され、特にホプキンスが演じた【狂人ハンニバル・レクター】と言うキャラクターは映画ファンなら誰でも知っていると思う。

 反面、その作品数の少なさからか、原作者のトマス・ハリスは今一つ知名度が低いようにも思える。
 私は彼の作品は全て読んだのだが、その才能は、彼が生み出したキャラクター【レクター博士】以上に強烈だ。 彼の文章には凶器さえ感じる
 彼の作品、ハンニバル・レクターシリーズには残虐なシーンが多く登場するが、その全てが理にかなっている。 登場人物が残虐な行動に至るまでの背景や、精神状態が緻密に描かれており、全く隙が無い。 
 だからこそ、彼の作品には戦慄すべきリアリティーを感じるのだ。

 さて、トマス・ハリスの作品の中で唯一【レクター博士】と関連が無い作品が「ブラックサンデー」だが、簡単に説明すればパレスチナのテロ組織とイスラエルの諜報機関が戦うスパイ小説だ。
 しかし、その舞台はアメリカで、この小説に登場するテロ組織「黒い九月」は実在組織である。 その実在テロ組織の背後関係や性格は、作家が元新聞記者だけ在って実に緻密描かれている。 それだけでも充分リアリティ―が在るのだが、その実在テロ組織がアメリカで大規模テロを企てようというのだ。
 そして、その計画がなんと、大量の爆弾を積んだ飛行船で、8万人が集まるフットボールのスタジアムに突っ込むというものだ!

 この私の説明で、多くの人がピンと来たのではないだろうか。 そう9.11のテロ事件だ。
 しかし、この作品は9.11のテロ事件をヒントに書かれたのでは無い。 この本が書かれたのはそれより25年以上前の1975年である。
 70年代は確かに世界中でテロ行為が頻発していた時期である。 日本では連合赤軍が暗躍した時代だ。
 それでも、当時の読者なら、爆弾を積んだ飛行船がスタジアムに突っ込む等というような大規模テロ行為は比現実的であり、そんな事態は、まさに小説の世界でしかあり得ないと思いながら読んでいたのではないだろうか?
 しかし、2001年9月11日、小説や映画さえも上回るようなテロ事件が現実に起きてしまったのだ。
 
 9.11事件後にこの小説を手に取った読者は、否が応でも9.11事件とこの小説を重ね合わせる事になるであろう。 そして、より一層のリアリティーと戦慄を感じることになるはずだ。

 トマス・ハリスは9.11のテロを予知していたのだろうか?
 いや、作家としての想像力を膨らませただけであろう。
 だが、彼は単に誇大妄想でこの作品を書いたのでは無いだろう。 我々には理解しがたい、自分の命を犠牲にしてまでのテロ組織やテロ行為の実態に鋭く切り込んでいる。
 正常な人間が狂気に変わって行く心理描写はハリスの得意とするところで、非常に説得力がある。

 私はこの本を読んでから、テロ組織に関して興味を持ち、テロ関係の書籍にまで手を付ける羽目に成ってしまた。

 この作品には、アメリカ、イスラエル、パレスチナの国際事情にまで及ぶ、ポリティカルで社会的な面もあるが、テロ組織を、イスラエルの諜報機関とFBIがタッグを組んで追い詰めていく過程は、緊張感と手に汗握るアクションシーンで、スパイ小説としてのエンターテーメント性は超一級である。 
 綿密な取材を重ねて書かれたであろう背景描写と、作家の研ぎ澄まされた才能と想像力の高さに、圧倒的な質の高さを感じる作品だ。


 この作品は1977年に映画化されたのだが、残念ながら日本では劇場公開はされなかった。
 「上映すれば映画館を爆破する」と脅迫が在ったために上映を断念したらしいが、テロと戦うストーリーのはずが、結局テロに屈したという、皮肉な結果に成ってしまった。

 しかし、日本ですら脅迫事件に成ったというこの映画、原作者のトマス・ハリスには全く脅迫が無かったのだろうか?
 当然、脅迫まがいの事件が無かったとは考えにくい。
 
 実在テロ団体の名前を上げて、これほどの作品を書いたハリスは、脅迫も想定内の覚悟で書いたのではないだろうか。

 いやはや、タフな作家である。

ブラックサンデー (新潮文庫)ブラックサンデー (新潮文庫)
(1979/03)
トマス ハリス

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 社会と家族との関係が希薄な老人が狙われる。 【凶悪 ある死刑囚の告白】

2012/05/23(水) 00:00:41

凶悪 ある死刑囚の告発凶悪 ある死刑囚の告発
(2007/01/17)
「新潮45」編集部

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小説では無く、ルポルタージュである。

 テレビ番組の「アンビリーバボー」で、この本と事件を取り上げていたのを観て、是非読んでみたくなり、リサイクル品を取り寄せた。

 「アンビリーバボー」の放送が在ったのは去年の暮らしいが、私が観たのは4月のか、5月の再放送されたものだ。

 小説では無いと書いたが、まるでサスペンス小説の様な戦慄すべき内容だ。
 その緊迫感は小説以上だ。

 
 人を殺して、その不動産や保険金を奪い取る。 まるで人の命を金に変える錬金術師のような男が居る。 その男は先生と呼ばれ、この社会で普通に暮らしているという。
  その事件を告発したのは、なんと拘留中の死刑囚だった。

 その死刑囚からの手紙を貰った記者は、何度も死刑囚と面会を重ね、独自の取材で、犯罪を裏付ける証拠をつかみ、遂には警察を動かすという、まさにミステリーか、サスペンス小説のような内容だ。

 闇に埋もれた犯罪を暴き出す為に、執念を燃やし取材を続けた記者には全く敬服する。 このような取材は、やはり雑誌記者でなければ出来ないだろうと思う。

 闇に埋もれそうになった犯罪を、週刊誌が騒ぎ出し、事件化したと言うのは他にも多々ある。
 保険屋が告発するケースもある。
 そうしてみると警察は何をやっているのかとも思うのだが…。 

 しかし、この本を読むと、やはりこの社会には、表に出ない犯罪が幾らでもあるのだという気がする。
 殺人が在ったとしても、遺体も無く、被害届も失踪届も無ければ、警察は動かない。

 この事件でターゲットになった被害者は、皆、社会や家族との関係が希薄になった高齢者だ。
 先生と呼ばれる不動産ブローカーと、その仲間は、何処からかそんなお年寄りを探してくるのだ。
 そんなお年寄りを、闇に葬り、その資産を狙うのだ。
 全く恐ろしい話だ。

 しかし、考えてみれば、現代ではそんなお年寄りは数多く居る。
 現代は独居老人が多い。 独居で仕事もしていないお年寄りがどこかに埋められても、家族が居ないのだから失踪届も出されることは無いだろう。 
 年金でつましく生活しているご老人でも、調べれば不動産資産を所有していたり、保険に入っていたりする場合は多いだろう。
 いわゆる、ホームレスの人たちでも、調べれば不動産所有者と言う事はあり得るだろう。
 そんな彼らを人知れず闇に葬っても、犯罪が明るみに出る可能性は低いだろう。

 私は、似たような事件は、明るみに出ないだけで、他にも数多く存在するのではないかと思う。

 家族の居ない私も、高齢に成り、仕事からも離れれば、社会から隔絶された存在になるだろう。
 だが、私は人から狙われるような資産は全く無いし、多額の保険もかけていないので、その点は心配していない。

 しかし、不動産や資産のある人は用心するべきだろう。

 私は長く客商売に従事していたため経験があるのだが、一見しょぼくれた一人身のお爺さんが、酔った勢いで見栄からか、自慢からか判らないが、資産がある様な事をぼそっと言う場合がある。
 まあ、女性が相手をしてくれる店なら、女性の気を引くために、積極的に独身で資産家であることをアピールするお年寄りも居るかもしれないが…。

 私はこの本を読んで思ったのだが、何処の誰が聴き耳を立てているか分からないような場所では、うかつに隠し資産があるような事は、決して口走らない方が身のためだと思うのである。


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(2009/10/28)
「新潮45」編集部

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 漂流、無人島小説  【桐野夏生著 東京島】

2012/05/12(土) 00:00:42

 桐野夏生の「東京島」を読んだ。

 突然、新刊でもない本の話を書くのは恐縮だが、貧しきオヤジは新刊を買う様な余裕はないのである。
 本を調達する時は決まってブック・オフの105円コーナー、もしくはアマゾンで1円の中古本を探す(送料込でも251円)という次第である。 したがってここで新刊本の話をする事はまずないだろう。

 いや、新刊より、旧刊の方が秀作に出会う可能性が高いのだ。
 新刊と言うのは中身より、新しい、出版されたばかりという事に価値が在る。 ただそれだけで話題になり、出版業界の人間はたとえどんな駄作だろうと力技で褒め称えるのである。 読者はつい惑わされる。
 しかし旧刊、概ね初版から10年以上経ってからも評価の高い本というのは、やはりそれなりに秀作と考えて良いだろう。
 いや、本当に秀作と駄作が選別されるのは30年位は経たないといけないかもしれない。 初版から30年以上経って、今尚、読み継がれている本というのは間違いなく秀作であろう。

 音楽にしてもそうである。 私が70年代の音楽にこだわるのは何もオヤジの懐古思想からでは無い。 現代の若いDJ達がクラシックスとかレアグルーブ等と言って、古い音楽に目を向けているが、古くても今尚、支持される音楽というのは 必ずや名曲、名演に違いないと思うのである。

 さて、いつものように前置きが長くなったが、「東京島」である。
 思わぬことから無人島に漂着し、31人の男たちの中で、たった一人で生きる事になった女を主人公にした小説だが、そのモチーフになったのが アナタハンの女王事件 と言われている。 この事件そのものが何とも奇妙で、まさに小説的であり、映画や書籍にもなっている。 
 そんな興味もあり、この桐野夏生の「東京島」は是非読んでみたい作品だったのだ。

 桐野は「OUT」読んだ時からファンになり、私の好きな作家の上位にも入るのだがこの「東京島」は期待外れであった。 どこか不安定で焦点が定まらない。 焦点も主題も定まらない不安定さのまま、締りのない結末を迎えてしまった。
 読み終えて解説を読むと、読み切り短編で終わるはずであったものに、続きを書き加えた、連作短編のような作品、とあった。 なるほど、それが焦点の定まらない不安定さだったのだろうかと、勝手に解釈した。 

 ところで、無人島や漂流を題材にした小説や映画はいろいろと在るものだ。
 代表的な所でジュール・ベルヌ著 「十五少年漂流記」 。この作品は小学校や中学校の図書室にも置いて在るような道徳的作品だが、私はこういった道徳的なものより、ダークで退廃的な作品が好みである。

 そこで、お勧めするのがウィリアム・ゴールデング著「蠅の王」である。
 子供たちだけで無人島に漂着するシュチエ―ションは「15少年…」と同じだが、秩序の無い世界で生きる少年たちは、やがて内部抗争から凄惨な闘争を始める事になる。
 「15少年…」とは対極的な作品である。
 1950年代に書かれた小説だがスティーブン・キングの作品の中でも度々モチーフとして登場する名作である。

 そしてもう一冊、アレックス・ガーランド著 「ビーチ」である。 
 どこのだれか判らない、日本では殆ど無名作家のデビュー作で、作品自体の知名度も低い。 
 やはり無人島…、いや人が生活しているのだから正確には無人島ではなく、孤島と言うべきか。
 その文明から切り離された孤島で共同生活する仲間たち。 だが、やがて秩序が崩れ始めた時、人は狂気に変わって行く。
 ダークな内容だが、冒険小説的な要素と青春小説のような要素も備えている。 先に挙げた孤島物小説の中では私の一番のお気に入りで、間違いなく名作だと思う。
 
 しかし、冒頭で私が書いた意見と矛盾するのだが、この「ビーチ」はアマゾンで調べたところ、中古品しか取り扱いが無い、もはや絶版かもしれない…
 「ビーチ」はディカプリオ主演で映画化もされているのだが、残念ながら映画の方もあまりヒットはしなかったようだ。

  しかし、他人がどう評価しようが自分が名作と思ったものが名作なのだ。


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一級のサスペンス小説 -雫井 脩介著「火の粉」-

2012/04/06(金) 07:30:05

火の粉 (幻冬舎文庫)火の粉 (幻冬舎文庫)
(2004/08)
雫井 脩介

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 雫井 脩介著「火の粉」
 
人から勧められたのと、ネット上の口コミでも評価が高いので読んでみた。

 一言で感想を言えば、非常によく出来た面白い小説だった。

 物語り前半では、よくある嫁姑問題とか、介護、育児、妙に胡散臭い隣人と、少々スケールが小さいのではないか… 等と思いながら読み進めたのだが、所謂、日常的な、何処にでも在りそうな光景を設定する事がこの物語の大きな意味になっていると、読み終えて気づいた。

 ミステリーとしてのストーリーの組み立はよく出来いて、物語にどんどん引き込まれて行く。
 それでも私は、この物語が単なる犯人探しに終始する、謎解きだけに重点を置いた何のテーマも無い推理小説のような気がして、少々結末が不安であった。
 だが、物語の後半を超えた頃から、もはや頁をめくる手を休める事が出来無くなり、一気に読み終えた。

 テーマははっきりと存在した。

 この小説はミステリーとしても、サスペンスとしても非常に秀作だが、作者が表現したかったのは、(人を裁くとは、どういう事なのか?)、(裁判官に求められる資質とは?)それらを表現したかったのではないだろうか。


 普段から何かにつけ、ことなかれ主義(つまり最も、日本の役人に多くみられるタイプで、官僚主義とも)で、家長でありながら家庭内の事すら決断できない人間、それが判事である勲の人格像である。

 つまり、いくら難関と言われる司法試験を通り抜けた優秀な頭脳を持った判事とはいえ、勲のような、ことなかれ主義で決断力の無い人間に死刑事案に当たるような裁判で確固とした判決を決断する事が出来るのであろうか?

 これこそがこの小説のテーマであると思う。

 勲はそれが出来なかった。 彼は被告の無罪を決断したのでは無い、決断できないから、無罪にしたのであろう。

 勲は物語の終盤で自分は本当に正しかったのだろうかと、自分自身を振り返ることになるのである。
 そして、被告を無罪判決にしたことだけで無く、今まで、ことなかれ主義で生きてきた自身の決断力の無さを後悔し、反省したのであろう。

 そして、自分自身に火の粉が振りかぶり、家族の危険を目の前にした時、始めて勲は本気で決断するのである。

 家族を救うために…
 そして今まで、ことなかれ的に自身の保身だけを考えて生き人を裁いてきた自分自身と決別するために。


 奇しくも現在、日本では裁判員制度が導入されている。
 私は興味本意から、機会があれば是非やってみたいと考えていた。 しかし、人を裁くというのは相当な決断力が要ることで、とても興味本意で出来る事ではないと、思い直すのであった。

 作中で「裁判官の資質は?」という、インタビューに対し、勲は「人が好きであること」と応えたというくだりがあるが、とても、そんな綺麗事では人を裁く事は出来ないと言うことであろう。

「火の粉」は一級のサスペンス小説ではあるが、ヒューマニズムと、我々日本人に誰にでもあてはまり得る要素と可能性を含めた極めて社会的な作品であると想う。

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本格派純文学 -田中慎弥著「共喰い」-

2012/04/02(月) 12:00:29

 田中慎弥氏の「共食い」を読んだ。

 本を定価で買ったのは随分久しぶりだが、田中さんのインタビューを観ていて非常に興味が湧いたのだ。 単なるミーハー的な興味からではない。 もともと純文学は私の好きなジャンルなのだ。

 田中さんの反社会的な態度と、「友達は居ません」と、きっぱりと答える、人嫌いの一匹狼ぶりは、私自身と同じタイプの人間の様な気がしてとても気になったのである。
 もっとも私は狼にも成りきれない一匹負け犬であるが。

 さて、小説の中身だが、読み始めた時は、文学的表現の羅列に少々わざとらしさも感じたのだが、読み終わってみると彼自身の世界観がよく表現されていると思う。
 非常に美しく研ぎ澄まされた文体だと思う。 
 現代の作家では、もはや彼のような文章を書く人は少ないのでは無いだろうか。
 純文学と言いながらも娯楽的作品が多い。
 
 村上春樹氏の作品が純文学の範疇に入っているところが私には理解できない。
 彼の作品は大衆迎合的なエンターテーメント小説だと思うのだが。

 田中氏の小説はあのテレビの記者会見同様、決して大衆に迎合しない自分自身の世界観をクールに表現する硬派で本格的純文学だと思いう。
 
 「共喰い」には、表題作と「第三紀層の魚」の短編二作が収められているが、私はに後者の方が強く印象に残りった。 深く人生を感じさせる涙を誘う作品である。

 田中慎弥はこれからも注目たい作家だ。


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(2012/01/27)
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